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特にここ1ヶ月ほどは提案の機会が多かったのですが、こんな体験をする中で、プレゼンテーションでは相手の考えるフレームワークでお話する、ということが非常に大切だという気づきがありました。
言葉だけ見ると当たり前なんだけど、今日はこの点に関して整理してみたいと思います。
考えることになったきっかけ
数ヶ月前にプレゼンテーションをしたときに、第3者目線での意見を求めたところ、「丁寧でわかりやすいプレゼンテーションだったよ」というコメントを頂きました。きっと彼なりに褒めてくれたのだと思いますが、あまり褒められたプレゼンテーションではないな、と感じました。丁寧さやわかりやすさは当然必要ですが、本当に必要だったのは、聞き手に自分ごと感を持ってもらい、アクションを促すような説得力です。
そんなわけで、丁寧でわかりやすいプレゼンを抜け出すためには、何が必要なのかという漠然とした課題意識を持っていました。
丁寧でわかりやすいプレゼンテーションのレシピ
この時のぼくは、独りよがりではない、誰にでも理解できる平易な表現や論理展開を意識したプレゼンテーションをしていました。おかげで人にわかりやすい説明になっていたと思うのですが、一方で、聞き手に自分ごと感を持ってもらい、アクションを促す力は自分のプレゼンテーションには備わっていませんでした。
あとから振り返ってみると、クライアントの同業他社に言葉尻を変えて持って行ってもなんとなく意味が通じるトゲのない作品になっていました。
もちろん同業である以上、各社課題意識/必要なソリューションは似てきますが、その会社ならではのポイントがどこかにあるはず。この見極めが足りなかったわけです。
3つの視点
こんな体験を振り返ってみて、キーポイントとなっているのは、こんな3つの視点ではないかと思います。A:わたしが考えるフレームワーク
B:あなたが考えるフレームワーク
C:みんながわかるフレームワーク
それぞれの位置づけを絵にするとこんな感じ。
最初、考えを整理するときは、Aのわたしフレームワークの中で考えます。これを誰かに説明する時にはCのみんなフレームワークに整理しなおす必要があります。
一方で、これは前提として行うべき手順であって、さらに相手に共感を生むためには、Bのあなたフレームワークで考える、ということが必要になってくるように思います。
共感を生むのに必要なアプローチ
わかりやすいが、同業他社に持って行っても意味が通じてしまう、ということを感じた時に、Cのみんなフレームワーク、を意識しすぎていたのかな、と感じました。Cのみんなフレームワークで話すのは前提であって、目的を達成するためには、さらにこの2つがセットで必要と思います。
A:わたしフレームワークならではのオリジナリティ
B:あなたフレームワークならではのオリジナリティ
相手はどんなことに普段頭を悩ましている集団で、どんなことを判断基準にしていて、どんな意思決定フローを持っているのか。こんなことをなぞった正確な現状把握があってこそ大きな共感が得られ、その上でわたしフレームワークで提供できるソリューションに説得力や、やってみたいという気持ちが生まれてくるのだと思います。
このポイントに照らして今回のプレゼンテーションを振り返ってみると
・所詮相手のいる業界全てを「あなた」とみなした提案だった
・現状認識には「あなたフレームワーク」で考えたが、
ソリューションに入った途端「わたしフレームワーク」になっていた
という2点があると思います。
だから同業他社に持って行ってもよさそうなプレゼンになったし、自分ごと感や共感の醸成が弱かった。
つまり、Bの「あなたフレームワーク」に対する詰めの甘さ、が背景にあったと思っています。
普段から意識したいこと
一度他人の作ったパワーポイントでプレゼンテーションをやってみるとよくわかるのだけど、一般的に「あなたフレームワーク」で自分の考えを整理するのはめちゃめちゃ難易度高いです。だから、ヒアリングの場でも、相手の話している内容をなんとか自分のフレームワークに当てはめて考えようとしてしまいます。
しかしそうは言っても、プレゼンテーションの肝は「あなたフレームワーク」への洞察の深さや、「わたしフレームワーク」へいかにうまく組み込んで話せるか、という点にこそあるんだと思います。
そう考えると、普段から相手の話してることを「あなたフレームワーク」のまんま理解したり、考えてあげることがとても大切なのではないかと感じています。
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