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興味深いエピソードやお話が多かったので備忘録的にエントリー。
セミナー概要:
「ガッテン流!心に伝わる健康情報の極意」
日本放送協会 科学・環境番組部専任ディレクター
北折 一 氏
日本歯科衛生学会向けのセミナーで、健康情報を伝える極意を演出家的な視点から解説してくださいました。
セミナーのメモ
以下セミナーのメモ。乱文だけど。■○明しないで
○に入るのは「説」
説明しても意味がない。どうして意味がないのかを解説していく。
■NHKがダメな理由
NHKがタレントや制作費を投入して「特集です、見てください」としているNHKスペシャルですら視聴率が6%程度。何もしなくてもこの視聴率は取れる。
NHKスペシャルをえらい人の言うとおりに作った会/これから解説していく説明通りに作った会の毎分視聴率を比較。えらい人の言うとおりに作っても全然ダメ。
これはよりよい情報を届けようとした結果。
→よりよい情報を届けるだけじゃダメ。
→「伝える」は「伝わる」とイコールでない。伝わってはじめて情報と呼べる。
■番組構成の黄金レシピ
1、共感
2、なんだろー感
3、納得感
4、お得感
という形につなげていく。
ネタより切り口「禁煙をおすすめしない??」
ex)デモジャー方式
「ダイエットしたいですよね」「でも運動大変、食事制限大変」「では、どうしたらいいのでしょう?」という流れ。
健康情報を伝えるのは
×受け手の心理状況をよく読んで相手の感じ方に合わせて構成を熟考する
○受け手の心理状況をよく読んで相手の感じ方をコントロールする構成を熟考する
感じ方は違って当たり前、コントロールしてあげることが重要。
究極の目標は「ついつい」
ダイエットでも禁煙でもついついやってはいけないことをしてしまう。これが一番強い動機づけ。だから、ついつい禁煙/ダイエットするような行動変容を起こすことが最終目標。
■プレゼン
魔性の攻撃(~しましょう、という攻撃)は最悪。
NHKの卓上メモには「食事を楽しみましょう」「健やかな生活リズムを」「食事のバランスを」たくさんのしましょうにあふれている。これじゃ全然ダメ。わかりやすさを目指している。本当に行動変容を起こそうと思って作ったのか?
「わかりやすい」は前提であって目的は「わかりたくなる」に置くべき。
セミナーから感じたこと
上のメモを読んでもらうとわかるのですが、どちらかというと、「つかみ」になるところが多いのかな、というふうに感じました。今回は健康情報を伝えていくお仕事の人に向けたセミナーだったので、どう分かりたくなる演出を作って、行動変容を起こさせていくのか、という点に絞ってお話してくださったように思いました。ウェブサイトにアクセスする人は、検索エンジンや、広告をクリックする、というひとつ先のアクションまでたどり着いているケースが多いので、そこよりは少し能動的に利用する人が多いと思います。
例えば、禁煙をおすすめしません、といったメッセージを発信して「え、どういうこと?」という違和感を感じさせることで、惹きつけていく、というやり方が必要なシーンもあると思いますが、ウェブサイトでは、アクセスして思っていた情報と少しでも違うと直帰率をあげてしまうので、なるべくユーザーが感じる通りに設計してあげるシーンのほうが圧倒的に多い気がします。(WEB上でこの点を意識しなくちゃいけないのは、どちらかっていうとペイドメディアに出稿するバナー広告やテキストのクリエイティブでしょうか。)
そう考えると、話をそのままサイトに適用していこう、というよりはポイントとなるエッセンスを抽出したり、ひとつのヒントとして使うのが良いかなと感じました。
個人的に面白いなぁ、と感じたのが、「~~感」というお話。
このプレゼンも終始興味深く、時々笑うシーンもありながら楽しく聞けたのですが、
・ダイエット前後の写真が面白く演出してある「このセミナー笑ってもいいんだ感」
・レジュメに○がふんだんにある「メモ取らないといけないの感」
・前後に話が飛んで「付いていかなきゃ感」
などいろいろな「~~感」を意識して構成したそうです。
ひとつひとつのパワポスライド、ひとつひとつのページ、ひとつひとつのリード文、キャッチに相手にどういった気持ちの変化を起こさせたいか、という点を意識してつくり込む、というのは大事な視点じゃないかな、と感じました。
P.S.
ブログにまとめと考察、掲載しても良いですか?とのご質問にぜひ、どんどんやってください、とのことでした。気さくで面白い方だったなぁ。
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