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すごく昔に、成果報酬でお金をもらうのなんて、どうかな、とかって書いたこともあるのですが、現実的じゃないな、と思っていました。
その後いろいろ考えていて、こうかな、と思うところがあったので、掘り下げて考えてみたいなと思います。
前段:なぜ顧客はお金を払うのか
前段として、なぜ顧客はお金を払うのか、ということについて考える必要があると思います。少し古い記事なのですが、1個面白い記事を見つけたのでご紹介したいと思います。
参考記事:なぜ顧客はお金を払うのか
SIの記事なんだけど、BtoBにオーダーメイドで制作したものを納品する、という性格がWEB制作に非常に近いと思います。
この記事のフレームワークだと、なぜ顧客にお金を払うのか、という点を3つの理由に集約しています。
(A)自分が思いつかない重要なことを教えてくれる。
(B)自分では思いついても、能力的に困難なことを実行してくれる。
(C)自分でも知っているし能力的にも実行可能だが、コスト的に見合わないことを代行してくれる。
当然単価は (C) < (B) < (A) という順序で高くなります。
顧客の思いつかない重要なことを教えてあげられない?
最初、この記事を読んだときは、大手の制作会社は他の制作会社より(A)が多いから単価が高い。ということかと思ったんですが、よく考えてみると、実は、(A)が多いのではなくて(B)がすげぇ上手ってだけ、と考えたほうがしっくり来るのです。なんで(B)の領域を出ていないか。
きっと(A)の「重要なこと」という部分にWEBの考え方や施策が入っていないから、というのがひとつの理由じゃないかと思います。WEB担当者の重要なこと、というレベルでは、人月単価200万なんていう額はもらえないのだろうな、と。
じゃあ、経営者が大事だと思うようなWEB施策だったら、単価あげてもいいのか?
それはできないんですよね。だって安い制作会社でも実現できるから。
ということは、結局実装でお金をもらっている限り、単価って引き上げられないんじゃないかな、と考えるようになりました。
もちろん昔書いた成果報酬、なんて考え方もあるとは思いますが、顧客の本業の収益に大してレベニューシェアという概念を持ち出しても、条件が合わないケースが多いだろうな、と思うのです。
今後必要になること
とすると、今後必要になるのは、(A)の領域を増やすこと。つまり、お客さんが気づいてないことに気づきを与えてお金をもらうこと、じゃないかなと思うのです。
そのためには上流の職種である「プロデューサー」とか「プランナー」たちがさらに上流に進み、お客さんが気づいてない重要なことを教えてあげられるスキルが必要、ということになると思います。
イメージとしては、こんな流れかな。
1、顧客の経営会議に出席して、諸々のファクトや方向性、ロードマップ、アクションプランを提示、承認を取る。
2、制作までスムースに落としていく。
※1だけならコンサルがやればいいじゃん、という話
おそらく、制作フェイズでは安い単価で大量にという点が重要になってくると思います。序盤でお話ししたように、経営判断として重要な施策であっても安く仕上げられるならその会社にお願いしたいからです。
オフショアで安く仕上げる、というのは、これまでに成功しているケースはほとんどないけれど、また続々とチャレンジする企業が出てくるんじゃないでしょうか。
最終的には1のフェイズで(A)の価値を。2のフェイズで(B)の価値を(C)ぐらいの安い単価で、という形が理想的なんじゃないかなと思います。
今後個人として必要になること
というわけで、1をやるにあたっては、プロデューサーやプランナーにはこれまでより深い顧客ビジネス理解を求められます。マーケティングに加えて、ファイナンスや経営戦略といったところに関してもある程度の知識が必要になると思います。また、2を安く実施するにあたっては、クオリティを担保するディレクターやプロジェクトマネージャはこれまで以上にプロジェクト難易度が高まり、成果物コントロールも難しくなるでしょう。これをコントロールするスキルが必要になると思います。
おわりに
別の事業をポートフォリオとしてもつ、といったことももちろんあるとは思いますが、今回は受託ビジネスとしてのWEB制作、という事業に焦点を絞って、考えてみました。これまでWEBの制作会社としてみられていた企業を顧客が見たときに、上流化してほしいのか?とか、コスト競争力つけるほうがいんじゃないか?とか現状での疑問点は諸々ありますが、上流化というキーワードだと、大きくこんな流れにはなっていくんじゃないかな、と思いエントリーしてみました。
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