2010年8月31日火曜日

正確な記憶力と発想力はトレードオフ。記憶はスマートフォン、発想は人間

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プロフェッショナル仕事の流儀という番組が好きです。お休み中ですが。

ずいぶん前の放送ですが、「たまごっち」を開発した、横井昭裕さんが紹介されていました。彼は人の名前を覚えるのが苦手で全然覚えられないんだそうです。そこでインタビュアーの茂木さんが言ってたのが面白いのでご紹介します。

正確な記憶力と発想力はトレードオフ

正確な記憶力を持ってると、発想力は弱くなるし、発想力のある人は記憶力が弱くなる傾向がある、ということだそうです。

2010年8月30日月曜日

気になったニュース:「首相にふさわしい」菅氏60.1%、小沢氏16.4%

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気になったニュースがあったので、考えたことをまとめてみました。

「首相にふさわしい」菅氏60.1%、小沢氏16.4% 産経・FNN合同世論調査

産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)は28、29の両日、合同世論調査を行った。民主党代表選(9月1日告示、14日投開票)への立候補を予定している菅直人首相と小沢一郎前幹事長のどちらが首相にふさわしいか聞いたところ、菅氏と答えた人が60.1%で、小沢氏の16.4%を大きく上回った。菅内閣の支持率は46.0%で参院選直後の前回調査(7月17、18日実施)より5.7ポイント上昇、逆に支持しないと答えた人は5.9ポイント下がって39.9%だった。

Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100830-00000530-san-pol


2010年8月29日日曜日

問題解決の前に、問題の意味を考えたい - ナウシカとセミナーで考えたこと

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先日社内のセミナーに出ていて、
「問題解決型の提案から問題発見型の提案が求められてきてる」
というようなお話がありました。

誤解を恐れずに端折って話すと、クライアント側でこのサイトのこういう所が問題だと思っていて、解決策欲しい、というような状況は一巡してしまっている、と。今はどこが問題なのかわからない、という状況にあるクライアントのほうが増えてきた、ということでした。

例えば、何かぼくの持ってるパソコンがおかしいんだよね、という時に
要問題発見:よくわかんないけどPCが動かない。どうにかしてくんない?
要問題解決:どうもメモリが悪そう、いいメモリない?
という違いです。

どこにでも汎用的にあてはまる問題点は、あらかたサイト制作時や、ASPなどでソリューションされてしまっていて、今後はより個別の背景や事情に合わせた、問題発見が必要だということだと思います。

前置きが長くなってしまったのだけど、問題発見にしろ、最終的には問題解決が目標になっているわけです。
でもぼくは最近思うのは、問題解決じゃなくて、問題の意味を考えることってすごく意味があるんじゃないか、ということです。

2010年8月28日土曜日

うそは常備薬、真実は劇薬。

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ぼくが大学生のころに読んだ本の中で、今でも読み返す本があります。
河合隼雄の「こころの処方箋」という短編なのだけど、この中に出てくる言葉で秀逸な名言があるので、ひとつ紹介したいなと思って記事にしてみました。

2010年8月25日水曜日

WEBマーケティングの限界-1%のCVRで残り99%はどうなったのか。

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よくひとつのKPIとして取り沙汰されるCVR。

サイトを運営するにあたっては、全体を俯瞰しながらもこのCVR(コンバージョンレート)をアップすることがひとつの大きな目標であることが多いと思います。ぼくが運営するサイトでもCVRは意識してよく見ているのですが、あるマーケターが疑問としておいて行った言葉があるので整理したいなと思います。

それはCVRが1%といった時に99%はどう感じたのか、という点です。

CVRが1%の時残りの99%にどのように感じられたのか

普段WEBの仕事をしてるとやはりCVRをどうするかという点に終始しがちなので、この質問はそれだけで十分に意義深いなと感じました。

何しろ母集団としては99%の人のほうが圧倒的に多いわけだし。この人達が次のPVを生み出したり、次の口コミをうむことになるからです。

ケータイサイト運用していて感じること

ケータイサイトを運用していて感じるのが、PCに比べるとユニバーサルデザインといった概念が薄く、出会い系サイトのようなちょっとユーザーを騙して入会させるような遷移になっているサイトが多いのではないかなという点です。

特に月額315円といった形で運用している公式サイトは、PCでの課金に比べると入力項目が少なく、一度入ってしまうとそのうち50%程度は次の月まで継続するため、おいしい収益モデルです。さらに、これまではリテラシーが低いユーザーが多かったからか、わかりづらい遷移にすればするほどCVRが高まる傾向にあって、よりこの傾向を助長してきたように思います。

随分言われていることですが、公式ケータイサイトは市場規模は伸びているものの、参入がそれ以上に相次いでいて、1サイトあたりの儲けはどんどん下がっています。それは運用していてもひしひしと感じているのですが、これはこのように1%コンバージョンしたユーザーとともに99%のコンバージョンしなかったユーザーにもケータイサイトの印象を落とすことになっていたのではないかなと感じています。

これはクオリティの低いユーザーエクスペリエンスを与えてしまい、スマートフォンやPCで見たほうがらくちん、という見方につながる要因のひとつになっていて、結果的にプラットフォーム全体の価値を下げていると思うのです。

99%を意識することの大切さを感じたエピソード

99%のユーザーに関してはシステム的に追っかけるすべがないので、それは想像することしかできないわけです。
ここに冒頭のWEBマーケティングの限界、なんて書き方をしてみたのですが、意識するだけでわかることは相当あるかなと思います。

以前公式サイトの企画の中で、
1、登録すると著名人のブログが読める、
  という体でメルマガ登録を促す。
2、メルマガを配信したURLからサイトに遷移すると
  有料の会員登録を促される。
といった企画があがりました。

これはメルマガ登録率をあげますし、コンバージョンもせっかくメルマガ登録もしたのだから、ということでそこそこあがります。また、1%のコンバージョンしたユーザーの中には有料であろうが無料であろうが本当に読みたかった!という人もいらっしゃると思います。

しかし99%からするとこのサイトをもう利用する気にはなりませんし、負のバイラルを生んでいる可能性は高いと思われます。

これは極端な例ですが、同じようなことはままあると思うのです。

広告業界ではやはりCVRを追い求めるあまり、99%分の非コンバージョンユーザーをないがしろにしてしまってることがこれまでは多かったように思うのです。しかし、AISASで言うところのShareのタイミングではブランド価値低下に大きく貢献してしまいます。

単純に数字を追いかけるのではなく、この1%の裏側にいる99%がどう感じるのか、という視点をいつも忘れないようにしたいなと感じました。

参考図書:
顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」 (HARVARD BUSINESS SCHOOL PRESS)
フレッド・ライクヘルド 鈴木 泰雄 堀 新太郎
ランダムハウス講談社
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終わりです。

2010年8月24日火曜日

学校の先生にやってほしい宿題の出し方 - 中国の歴史に関して感じたこと

01:15 mins - この記事を読むのにかかる時間

「そうだったのか!中国」という本を読みました。池上彰先生の本なのですが、毛沢東のころからの中国の歴史をあの語り口でお話していました。

中国の考え方の根本


先週でた4-6月期のGDP統計で日本のGDPをついに中国が上回りました。そもそもこれは予定されていたことであって、日本では意外と静かな語り口でしたが海外のメディアでは比較的大きく取り上げられた印象です。

参考:
4~6月GDP、日中が逆転 日本は主要国で最低

しかしながら経済発展をしていく中で中国がこの点は克服する必要があるのではないか、と個人的に考えていた点として、ディズニーランドもどきの事件や海賊版、Googleとの一連のやりとりなど、国家レベルでのモラルの低さがありました。

参考:
Google、中国撤退も
コピーだらけ 中国ネット通販

これは、毛沢東時代から見た共産党の成り立ち、台湾、チベットでのやりとりなど見ていくうちに、やはりモラルの低さが国家レベルであることは指導者の問題なのではないかと感じました。
「夷をもって夷を制す」という考え方など、共産党の哲学には独裁国家ならではのおこがましさがにじみます。

詳細は本書に譲りますが、GDPから照らしても今後も中国は最大のお客様になるわけですし、一緒に働く仲間になることも出てくると思いますので、中国がどのような経緯を持って今に至っているのか再確認することは非常に重要だと感じました。

そうだったのか! 中国 (集英社文庫)
池上 彰
集英社
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特に、よく話題になる日本の教科書問題は、本書から様々な発見があり、
・反日運動/感情は中国政府がけしかけたもの。
・日本は歴史と向き合え、というが、実際には共産党の歴史と向きあっていない矛盾。
など、本質を知らないままでいると、中国人とやり取りするときに溝が広がってくることもあると強く感じました。

個人的に感じたこと-歴史教育に関して

個人的に本書を読んでいて感じたのが、中学の歴史の授業で学んだ時とは違う、興味深さをもって読めたことです。これは社会人になり、ニュースを読んだりする中で、お金の流れ、現在の政治の仕組みなど様々な社会環境を理解したことによって、過去の社会環境に関しても興味深く考えることができた、ということに尽きると思います。

歴史の授業は小学生からはじまりますが、これは現在TVで見ているニュースに直結する部分が多いと思います。しかし、歴史理解が浅いと、ニュースの本質を外した解釈しかできませんし、逆にニュースを知らないと歴史に関しても浅い理解しか得られません。池上彰先生の本が売れているのを見るにつけ、これは授業で勉強している子どももそうですが、親に関しても、本質を外した解釈をたくさんしているのではないかと感じました。

そこで、歴史問題を教える授業の中で、歴史/現代社会を交互に学んでいける施策として、
★ニュースに直結する今日教えた内容に関して
★誰かに説明をしてくる。
★成果物は「理解しました」というサイン
という宿題を出したらどうかな?と思いました。

説明してくる相手は誰でも構いませんが、両親に説明する機会が増えることを考えると、説明することで本人の理解は深まると思いますし、親の世代に説明することで、
・このニュースはこういう意味だったのか?という気づきがある。
・子供の成長や授業の様子がわかる。
ということで親の世代にも一石二鳥の効果があるのではないかと思うからです。

けっこう効果高いと思うんだけどなぁ。


長くなったけど、おしまいです。

2010年8月22日日曜日

WEB制作会社の今後のビジネスモデルや収益構造について思ったこと

01:52 mins - この記事を読むのにかかる時間

上場しているWEB制作会社に勤務していると、当然増収増益を目指し続ける必要があると思います。しかし、これけっこう厳しいんじゃないかなと最近思っています。本当は、収益が上がった分は利益として会社に留保せず、人件費に還元していかないと給与も上がらないし、業界自体の地位もどんどん下がってくると思うからです。

アニメ業界で起こっているアニメーターの賃金と業界地位が低いのと同じようなことが起こってしまうのではないかと思うわけです。

現状のWEB制作会社の収益構造

現状の収益構造というのは以下のようなことがスタンダードだろうと思います。

収益 = 受託金額 - 人件費

それぞれどのようにすれば収益が上がるのか考えてみました。

・受託金額
オーダーメイドが基本なため、薄利多売に移行することは難しい。
このため上流化を進めてコンサル費やマーケティング調査費などの点で1つ1つの案件でARPU(客単価)を稼ぐ。

・人件費
ツールやASP、開発をかけるなど、効率化を進めてコスト削減。

WEB制作会社の収益構造の問題点

そんな中で、仕事をしていて思うのは受託金額に関して目指すところはわかりやすいと思うのだけど、コンサル費用がどれだけの価値をもたらすのか、という点に関して受託前にコミットできるケースが少なく、景況感も手伝って安い制作会社に流れるケースが圧倒的だと感じているのです。

とすると一番やりやすくてわかりやすい企業努力としては
・効率化を進めて価格競争に勝てるような体制を整える
・人件費は削減の方向

といった展開になってくると思うのです。
中の人にしてみたら働けど働けど賃金は下がるばかりになっていくのではないかなと。

だから冒頭でお話したように薄利多売できないオーダーメイドの制作会社は上場するのではなく、売上があがった分を人件費に還元するなどしていかないと賃金はあがっていかないのでは?しかも還元しにくい構造になっているのでは?といったお話につながったのです。

新しいビジネスモデル

そこで、ぼくらみたいな制作会社がが生き残れる方策を考えてみました。

A案:メディアを作る
B案:課金コンテンツでのレベニューシェアモデル
C案:このまま受託で進めるが、リスクを追った成果報酬型で契約

といったことが考えつきました。

A案:
現在のWEB勝ち組のビジネスモデル。CyberAgent的な展開。

B案:
i-modeでドワンゴやMTIが成功しているモデル。今後はiphone/androidなど別のプラットフォームでの展開に移行していく。

C案:
リスクが高い。契約の進め方に関してかなり詰めていく必要がありそう。

こうして書き出してみると、A案/B案のようなモデルというのは制作会社でも参入できますが、制作会社としての本業で売上をあげていくことではないように思うのです。つまり、違うビジネスモデルで制作会社が参入できる業種に軸足を移していく、もしくは、C案の成果主義モデルに移行していくことというようなことしか手段ってないんじゃないかなと思うのです。

成果主義モデルの制作会社

制作会社からすると、成果主義モデルであれば契約次第で成果をあげたら大きな利益率を確保することが可能です。しかし、クライアントサイドからしても、すでに作ることを求めているのではなくて成果を求めているのであって、成果主義モデルへの移行というのは大きな流れとして市場からも求められているように感じています。

実現した頃には、こんなことが起こるんじゃないでしょうか。

・WEBに関わる各職種が人気商売になり、格差が拡大する。
・制作会社のクライアントへのコミット感はより強くなる。
・上流制作会社はリスクを取って案件ごとの利益ばらつきが増す。
・制作しかできない会社は相変わらず低賃金競争が続く。

つまりプロジェクトの構図として上流の制作会社がよりクライアントによったビジネスモデルに変わるということだと思います。今まで以上に業界に特化した深いクライアント理解が必要になるので、各職種にまでより成果に向いた成果物制作を意識するようになるんじゃないかなと。

これって本来あるべき姿により近いんじゃないかと思うのです。このような形でリスクをとってはじめて、高い給与をもらうことも可能だし、業界地位を高める、という冒頭の解になるんじゃないかなと思うからです。

2010/08/24 追記
受託開発に未来はない?
開発に関して同じように受託の道がない?というエントリーを見つけたので。

2011/02/25 追記
成果報酬でお金をもらうことについて、ECなどだと可能性あるかな、と思ったのですがブランディングやコーポレートなどだと現実的じゃないのかな、と考えていました。別の切り口で考えてみたのが次の記事なので、よかったら読んでください。
顧客がお金を払う理由。WEB制作会社の今後のことを考えてみた。