2010年10月9日土曜日

ウェブディレクターって何をする職業なんだろう。考えてみた。

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ぼく本職のお仕事はウェブディレクターというお仕事をしていたのだけど、このたびウェブプロデューサーという職種に変わることになりました。これを機に、一度ディレクターって何する職業なんだろう?というのをぼくなりに整理してみようと思ってエントリーしました。

考えながら書くのでロジックが乱暴だったらごめんなさい。

考えるきっかけになったのは、ぼくの尊敬する先輩ディレクターのこんなツイートでした。

ディレクターなんて、デザイナーやプログラマーに憧れて挫折し、トークも上手くないので営業やプロデューサーにもなれない、1人じゃ何も出来ない半端者の役職。

別にぼくに関しては、挫折したわけではないにしろ、言いたいことも共感できるし、確かにけっこうわけわかんない職業なんだよなぁ。って。

ホームページ作るときの現場監督みたいな仕事だよ、とかって知らない人には説明するんだけど、これはどっちかっていうとPM部分の話をしてるので全ては説明できてないし。


そもそもディレクターの作業とは?

あんまり定義がしっかりとしていない気がしてるので帰納的に考えたほうがいんじゃないかな?と思いました。というわけでぼくがディレクションをやっていて、こんな仕事やったことある、という作業を書き出してみました。

★ディレクター占有っぽい作業
・アクセス解析
・ワイヤーフレーム/画面構成書/画面遷移図作成
・クオリティチェック
・顧客折衝
・アジェンダ/議事録作成
・サイト戦術策定(コンテンツよりな部分)

★プランナー仕事とかぶる
・コンテンツ企画作成

★プロジェクトマネージャー仕事とかぶる
・スケジュール管理
・稼働管理
・見積り時の工数だし

★プロデューサー仕事とかぶる
・サイト戦略策定
・障害対応

★コーダー仕事とかぶる
・HTML/XHTML/CSS/javascriptのコーディング
・動画などエンコード

★デザイナー仕事とかぶる
・バナー制作
・サイトデザイン制作
・FLASH制作(アニメーション中心)

★システムエンジニア仕事とかぶる
・機能仕様書作成
・テスト仕様書作成
・SQLでデータ抽出(SELECTぐらい)

★デバッガー仕事とかぶる
・デバッグ

あげてみて改めて思ったのですが、やはり他職種とかぶる部分が非常に多いですね。どちらかというとディレクター占有の仕事より他の職種でもできる作業のほうが多いなぁ、と感じます。

ディレクターの職域がよくわからないのは、やはり他の職域の作業もバランスよく出来る必要がある、という点じゃないかと思います。

プロジェクトによってはPMがいなかったり、デバッガーがいなかったり、サイト運営の方針や背景、座組みなどによって作業の内容を柔軟に変えなくちゃいけないと思います。

これがややこしくさせる要因だし、どれもできるスキルを持っていないと案件によってアサインできるものとできないものが出てくるのかなと思います。

ディレクター勇者説

この間、その先輩ディレクターのツイートを見てぼくなりに「ディレクター勇者説」というのを提言してみました。勇者みたいにカッコよい主人公キャラという意味ではありません。w

結局、魔法も、物理攻撃も、特技も全部できないといけないのだけど、魔法では魔法使いにかなわない、回復魔法は僧侶にかなわない、物理攻撃では戦士にかなわないわけ。全部それなりにわかってないとダメだけど、中途半端にしかできない。勇者みたい。という意味です。

じゃあ勇者がやらなきゃいけないことはなにかというと村人と話したり、ダンジョンに行ってみたり、この武器を戦士のために買っとこうとかっていうのを決める、、、ということなわけ。つまりパーティの仕事量なんかを調整しながら、物語を進める、ということが勇者のやらなきゃいけないことなんだと思います。

この方向性が間違ってるとあの村人に話してからダンジョン行っとけよ、みたいに戦士とか魔法使いにブーブー言われるとこもよく似てるなと。

でも中途半端な職業って必要

とはいえ、その中途半端な職業って必要なんじゃないかと思います。

なぜか。

お互いに連絡をする潤滑油とか翻訳家とか、そういったことをする人がいないとクライアントも含めた異職種の人々の意見を統率して方向性を決めていけないからです。

話を比喩から現実に戻すと、SEとかデザイナーとかいろんな人の職種の作業も少しずつできる必要があるけど、全体の方向性とか、サイトの全体像だけ、見間違わないようにする職業なんじゃないかなと思ってるわけです。

中には情報設計が上手なディレクターとか、尖った企画力を持ったディレクターとか、トラブル案件の処理が得意なディレクターとか、もろもろ性質は出てくると思います。これは魔法が得意な勇者とか、回復力が強い勇者とかに相当するわけで、もちろんあったら重宝するディレクターなのだけど、ディレクターという職種が持つ基本的な役割を説明するには、説明しすぎている気がします。

最終的な説明としては、もともとあった「サイト制作の現場監督」ということでいいと思うんだけど、もうすこしブレイクダウンすると上のようなことだと結論づけました。

ウェブディレクターの醍醐味って

なんか中途半端だし、戦闘に入ったら一番先頭を歩いているものだから攻撃もたくさん受けるし、いいことなしな気もするけど、個人的に1つ素敵だなと思ってることがあります。

それはエンディングをチームみんなで見れる、ということです。

無理やりいい話にするつもりはからっきしないのだけど、中途半端だからチームじゃないとできないようなお仕事を成し遂げなくちゃいけないし、成し遂げたあとはチームみんなで喜べるんだ、と思います。

だから、制作チームとしてはクライアントにも同じチームとして一緒にやったほうがお客さんの満足度やサイトのユーザーの満足度もあがるものなんじゃないかな?制作の時は、外注というよりパートナーとしてやっていくというのはやっぱり大切なことなんだろうと思います。

成熟した果実をみんなで分かち合えるように、個人的にはチームでやってる感を大事にするディレクターでいたいなぁ、と思いながらこのエントリーを締めたいと思います。ドラクエの作戦は「ガンガン行こうぜ」とか「命令させろ」ではなくて「みんながんばれ」で決まりです!

きっとこの仕事ってみんな違う哲学もってやってるような気がしてるので意見があったらツイッターでもコメントでもぜひください。

P.S.
じゃ、ウェブプロデューサーってなんなんだろう?ぼくはパーティーが戦いやすいように武器とか金とか調達したり、町に優秀な武器屋を誘致する、という意味で王様!と言ったのだけど、上司にそんなにえらくないだろ、と意見されました。w

ここはぼくがプロデューサーを長くやる中で見つけていきたいなと思ってます。

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