2015年6月28日日曜日

夢分析の世界が奥深くて面白い(自分でできる夢分析の書評)

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プロカウンセラーが書いた「自分で出来る夢分析」という本が大変おもしろかったので思わず書評を書くことにしました。
タイトルだけ読むと、夢の解釈を延々と書いてあるような本なのか、と思ってしまうのですが、思ったより内容は本格的でした。


この本の著者の立場をサマリすると以下の通りです。
  • 夢はその人が「今」抱えている問題意識や課題意識と密接に関係している。
  • だから、夢の解釈を外の専門家がやっても意味がなく、夢を解釈するのはあくまでも夢見手。
  • 夢がうつすのは、本人が「意識」していない、けれど「無意識」が気がついている違和感や、課題意識
  • 「無意識」側が「意識」側に気がついてほしい課題意識が強いと夢のメッセージ性も強くなる。悪夢はその1つと考えられる
  • 「無意識」が気がついていることは時に本質的であり、重要な示唆を与えることがある

また、本書では実際にカウンセリングしたケースの夢とその人がその時に向き合っていた問題がどのように紐付いているのか、正確につづってあるので、地に足ついた論理性を感じることができました。

中でも興味深いなぁと感じた手法は
  • 夢のシンボルの自由連想
  • 夢のシンボルに「なる」。
  • 夢の続きを良い方向に変えて実際に瞑想してみる
  • 「無意識」に問いたい疑問をなげかけ夢孵化する
といった手法です。

例えば、最近見た夢は以下の様な内容でした。

「友達夫婦の家に招待されて飲みに行くのだけれど、その友達が奥さんにめちゃくちゃ怒りはじめる。ここにいては良くないなぁ、と逃げるように出て行くが、その友達がどうしてもスーツケースを持って帰れ、という。仕方がなくスーツケースを持って帰る」

スーツケースを自由連想していくと、自分にとっては、「旅行」「脱出」「遠方」というような意味を持っているのですが、今回はその男は何かから逃げ出せ、と言ってるように思うとしっくり来ました。こんな調子で、設定や、その時の気持ち、一緒にいた友人、友人の妻、など何を象徴しているか、シンボルを連想していくと、この夢の真意に近づくことができました。

自分が普段心に描いている「スキーマ」(自分が世の中や物事をどう解釈しているか)がどんなふうに歪んでいて、今自分がどういう行動を取っていくべきなのか、よいインサイトを得ることができました。

夢を活用する、という視点で行くと宗教的な話やスピリチュアルみたいな話しも後半に出てくるので、万人受けする本ではないのかなぁ、などと思いましたが、それを差し引いても一読の価値はあると思います。

よかったら読んでみてください。


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