2010年11月6日土曜日

「いつか」の自分ではなく、「いま」の自分で勝負したい。常備薬と劇薬のこと

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先日、本棚の本をたくさん売り払ったのですが、いくつか残した本の中に「おとなの小論文教室。」という山田ズーニーさんが書いた本があります。ちょっと概念的な話になってしまうけど、いつも何かを決断するときにぼくの背中を押してくれた言葉を紹介したいなと思ってエントリーしました。

「いつかより強くなって」ではなくて
「いまの自分のまんま、そのまんま、いま、ぶつかってみたらどうか?」

おとなの小論文教室。


「いつか」の自分

ぼくはよく過去の自分を振り返って
「なんであんなにバカだったんだろう?」
とか
「なんであんなことしちゃったんだろう?」
と思います。

もちろん、それぞれのステージで意思決定のレベル感が違うのは当たり前のことです。それはよくわかってるんだけど、何か行動を起こそうとする時に、今度は将来に向けてこんなことを感じてしまいます。

「いつかお金にゆとりができたら両親に親孝行しよう」
「もうちょっと単語の勉強してから英会話スクール通おう」
「いつか年収があがったら彼女に告白するんだ!」

そういうシーンって誰しも経験したことあるんじゃないかな、と思います。お金がなくてもいま両親に親孝行してあげたらいいと思うのだけど、つい陥りがちです。

いまの自分のほうが重要。その時にしかできない経験がある

でも本当は重要なのは「いま」の自分です。

お金・モノ・時間の中で一番貴重なのは言うまでもなく時間です。すべての人に平等に与えられる、不可逆で有限な資源だからです。「いつかの自分」思想は一番価値がある「時間」を無駄にしてしまうと思います。

本当は英会話の勉強だって人前で話すのだって、未熟でもやってみて恥をかいたほうが本を読んでいるより100倍成長すると思うのです。圧倒的に成長が早い。だから時間を有効に使うなら「いま」の自分で動くことがすごく重要なのだと思います。

また、親孝行の話や、彼女に告白する話だと、時間が過ぎていくうちに、「いま」しかできない経験をしないまま過ぎてしまうかもしれません。

「いつかの自分」思想は勇気を作る常備薬なんじゃないかな

ズーニーさんはこの思想について「その真の課題に向き合う億劫さから、目をそらすのに、使われやすい。」と表現されてました。すごくそのとおりじゃないかなと思います。

ぼくの大好きな河合隼雄先生が「うそは常備薬、真実は劇薬」と言ってるんだけど、真実は目を逸らしたくなるような衝撃を持っているのです。

※このエントリー参照:
うそは常備薬、真実は劇薬。

真の課題は劇薬、とても怖い。だから勇気を足すための常備薬としてこういう思想になるんじゃないかと思います。

少し具体的に先程の彼女に告白する話で言うと、
確かに年収があがってから告白したら「いまの自分」より自信をもって彼女に思いを伝えられるかもしれません。少なくとも不安要素を1つ潰すことができる。「いまの自分」では不安要素が多すぎて勇気を作ることができない。だから勇気を1つ上乗せする常備薬として「年収があがったら」と言うのだと思います。

常備薬は使いすぎにご用心

うそは常備薬、真実は劇薬。で触れたけど、別に常備薬を使うことが間違ってるとはぼくは思ってないです。いつも全力投球でいまの自分で勝負していくことができたらとても素敵なことだと思うけど、いつも劇薬を選びとっていくのは現実的に難しいからです。

でも、大切な決断をするときには、やっぱりこの考え方を思い出して、いまのまんまの自分でやってみたいな、と思います。

大事な決断ではないのだけど、ブログを公開することに決めた時にもデザイナーが見たらこのダサいデザインはいったい、、、ってなるよなー、とか経営者が見たら何を偉そうにビジネスを語ってるんだ、って思われるよなー、とかいろんな不安がありました。でも、いまの自分にだって気づきを与える一文が書けるところもあるかもしれない、と言い聞かせて劇薬を飲んで公開してみました。

結果、思った以上にアウトプットすることが刺激になっているし、人々の批判もすごく参考になるものばかりです。

だから、これから何かの岐路に立つ時にも同じように「いまの自分」で勝負できることを選びとっていきたいなと感じてます。

関連記事:
うそは常備薬、真実は劇薬。

関連書籍:
おとなの小論文教室。
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河出書房新社
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