2010年9月12日日曜日

ソーシャルフィルタに関して考えてみた。WEBのいいとこ薄れちゃう?

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SNSが力を強めていくにつれて、WEBのスタート地点は検索からはじまる、というこれまでのモデルが薄れていき、ソーシャルフィルタがメインになっていくんじゃないか、というお話を各方面で聞くようになりました。

先週(2012年Googleが介在しない社会『AISA(アイサ)』~ソーシャル時代の新消費行動モデル)なんかがWEB上で話題になってました。要はソーシャルフィルタが入ることによって、Google検索に変わってソーシャルフィルタが情報選別の役割をはたすようになる、ということです。

そこで、ちょっと旬なソーシャルフィルタに関してぼく感じてることを整理してみようと思います。

WEBって能動的に使うもの?受動的に使うもの?

ぼくがよく思うのはソーシャルフィルタ、というのは要はレコメンドでしょ?ということです。

ソーシャルフィルタ = 自分のソーシャル環境を根拠にしたレコメンド
というように解釈しています。

最初、この概念を知って個人的に感じたのは、WEBの良いところがなくなっちゃうじゃん、ということです。

テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、これまでの4マスは誰かが整理した2次情報、3次情報を受動的に受け取るメディアでした。でもWEBに関しては(もちろん受動的に情報を受け取る事もできるけど)自分で1次情報や、ニュースのソースに能動的に近づくことができます。

おかげで誰でも簡単にソースに当たれて、情報はフェアになりました。もちろんWEBリテラシーの高い低いはあるにせよ、ちょっと教えてもらったり本読んだりすれば、誰でも質の高い1次情報を取得する機会が与えられたわけです。

能動的であることはすごくWEBのいいとこだからソーシャルフィルタのように自分のいるコミュニティで選り分けられた情報とはいえ、ソーシャルフィルタで選別された情報が出てくるのはそんなにいいことばっかりじゃないんじゃないの?という気がしたわけです。

WEBにも受動性が必要?

でも一方で、WEBにも受動性が必要なんじゃないかな?と感じたことがありました。
それは以下の記事です。

近藤社長「未熟だったと思う」はてなが目指す“脱IT系”

はてなのサービスってすごくステキで、初心者にも優しい、誰にでもわかるようなサービスが多いと思うのです。個人的にはチュートリアルなんて秀逸で、かなり親切な印象を持っていました。でもメイン層は「IT系」。一般層には知れ渡っていなかった。これは技術者がサービスを作っていたことが問題だったので自分は現場を離れる、という近藤社長のお話でした。

もちろん、そういった要因もあるんでしょうが、「人力検索はてな」なんてモロ初心者向けのサービスだし、はてなダイアリーやはてなブックマークだって初心者に難しいサービスかっていうとそんなことない気がします。

何が良くなかったかというと、本来、このサービスが初心者にもニーズがありながら潜在ニーズのまま顕在化させられなかったことじゃないかなと思うのです。つまり、レコメンドのような受動性がもっとWEBにあっても良いのかもしれないな、と思ったのです。

でも全部が全部受動的じゃやっぱり意味がない

全部、受動的に受け取るような情報になってしまったら、情報のインプットの仕方は4マスと変わらないと思うのです。ユーザーは考えなくなっちゃいます。それ超良くないと思うのです。

時代の流れとして、ソーシャルフィルタが活躍することは間違いないし、ある程度の受動性は出てくるのではないかと思います。だから、Googleのような能動的に使えるサービスは知ってる人だけが使うようなサービスになって、利用機会が減っていくってことはひょっとするとあるかもしれません。

そう考えると、個人的にはGoogleの検索以外にも、能動的な使い方をするWEBサービスがもっと増えてきてほしいなと思います。ぼくもサービスを考えるときにそんな切り口を持って臨みたいと感じてます。

2010/09/12 追記

■ユーザの能動的なアクションも増えるのでは?
twitterコメント頂きました。
[ソーシャルフィルタが有効に機能するには、ある程度ユーザの能動的なアクションが必要なはず。と考えると、言うほどブログ内の懸念はないのかなー、と。]
確かにおっしゃるとおりだなぁ、と。w

ただ、ソーシャルフィルタを有効に機能させてくのは一部のユーザーな気がしてて、受動的に使うユーザーはすっかり受動的にWEBを使っていくんじゃないかな、と考えたんだよね。SNSはCGMとして成り立ってるけど、日記を書くユーザーががりがり書く中で、ROMばっかしなユーザはそのままROMばっかりなわけ。特に、AISAの話みたいに、最初のWEBとのコンタクトがソーシャルフィルタになると、受動的にWEBを使うユーザー数を加速するんじゃないかしら?と思ったわけ。

いずれにせよ、能動的にWEBを活用するサービスってコンセプトはアリだと思ってるので、切り口として一つ持っておくのは悪くないかと。

■mixiのリリース
こんなリリース出てますが、やってることはfacebookと同じですね。mixi graphとかいって、ネーミングぐらい変えてみたらいいのに、、、でも変えたら何のサービスかわかんなくなるか。
モバゲーも家電もmixiにつながる「Webをソーシャライズ」宣言
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