2011年2月28日月曜日

POSTメソドロジーというソーシャルメディア上の戦略フレームワークをまとめてみた。

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POST methodというのをご存知ですか?
GET/POSTのメソッドのことではありません。ソーシャルメディア上の戦略を考えるアプローチです。

最近日本でも、ソーシャルメディア系のマーケティングを考える際に時々聞くようになったのでまとめてみました。参考にしてみてください。

POSTメソッドとは?

なんてことはないのですが、POSTメソッドとは以下の頭文字を並べたものです。
People/Objectives/Strategy/Techology

それぞれ見ていきましょう。

1: People
まずは、戦略を立てようとしている商品やブランドについて、お客様はソーシャル上のどんなメディアでどんな関わり方をしているのか、考える必要があります。ターゲットが大学生ならSNSなどでも良いかもしれないし、旅行検討中のお客様なら何らかのレーティングやレビューをお見せしてあげる必要があるかもしれません。

2: Objectives
次に、このお客様にどうなってほしいのか、達成したいことを明確にします。エバンジェリストになって、他のお客様にクチコミしてほしいのか、親しみを持ってほしいのか。明確にしておくことで、後から評価することができます。

3: Strategy
PeopleとObjectivesがはっきりしたら、Objectivesに向けた戦略を立てます。エバンジェリストを作るために、まずはグループフォーカスインタビューをして現在ロイヤルティの高いお客様のインサイトを探ってみよう、といった打ち手に関しては、Objectivesからブレイクダウンして考えてゆきます。最後をイメージしてから最初のステップや、目的に行き着く道筋を考えるわけです。

4: Technology
Strategyが決まったら、戦略を実現するために、どんなTechnologyを使うか考えます。SNSを使うのか、ブログを使うのか、アプリケーションを使ってコミュニケーションさせるのか、といったことを決めてゆきます。

よく起こりがちなこと

この順序を守ることが大切なのは言うまでもないのですが、最近よく起こりがちなのが、Technologyが先行してしまって、Twitterでなんかやらなきゃ、とかfacebookでなんかやらなきゃ。といった声。

とりあえずこんな相談を受けたらば、本来は、Peopleから始めたほうが良いんですよ、という常套句をしゃべっておけば、とりあえず、それっぽく見えそうです。

POSTメソドロジーに関する考察

POSTメソドロジーとか言ってるけど、個人的に感じてるのが、言ってみたら通常のマーケティング活動と同じでしょ?ということです。

マーケティングも顧客から始まり、目的を定めてから戦略を決め、最後にチャネルを決めるわけです。

基本と同じなのだけど、ソーシャルに関する戦略の進め方がわからないと、何だかソーシャル専門のメソドロジーがありがたく聞こえてしまいます。

でもきっと本質は変わっていなくて、いつもと同じようにお客様のほうを見て、戦略を立てる、というスタンスのはずです。だからマーケティングが上手なコカ・コーラはソーシャル上のマーケティングも上手なわけです。

あるとしたら、最後のコンテンツのあり方は随分変わってきそう。でもこれに関してはみんな横並びなんだから、これまでのマーケティング活動の中でお客様に刺さった内容を鑑みて、発想してみたらいいんじゃないかなと思います。

終わりに

ちょっと余談になりますが、WEBにしろマーケティング活動にしろ、フレームワークはあるととても便利です。
特に抽象的な概念を扱う時には、フレームワークという共通言語でもって議論するのが生産性を上げるコツだとも思います。

だけど、安易にフレームワークばかり使っちゃいけないんじゃないかな?と最近思います。

なぜか?

簡単に言うと思考停止になってる気がするからです。フレームワークは数学の公式みたいなもんで、演繹的なアプローチです。公式に当てはめたら、それらしく解は求まります。逆に、1つ1つのことから、帰納的に結論を求めていくという視点が欠落しています。

何事も深い理解をするためにはどちらのアプローチも必要だと思うので、フレームワークばかり使ってちゃいけないのかなと思ったわけです。

例えば、
AIDMAを使って購買行動を分析している人と、AIDMAのフレームワークを考えた人はどう考えてもAIDMAを考えた人のほうが深いマーケット理解を持っているでしょう。

POSTメソドロジーも確かにソーシャルメディア戦略を考える中ではひとつのアプローチだと思うのだけど、まだマーケットも未成熟なわけだし、なんかオリジナルのフレームワークを考えたら理解深まるかな、と感じました。

やっぱり制作会社としてはソーシャルフィルタ時代に必要な情報設計の考え方、とかかな?

参考記事:
The POST Method: A systematic approach to social strategy
POSTメソドロジーの原文。2007年の10月頃の記事。そう考えると日本でこんな話が出てきたのも2010年頃からなので、ソーシャルメディアに関しては日本が遅れてるといえそうです。
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