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古畑任三郎、踊る大操作線の青島、はぐれ刑事の安浦さん、あぶない刑事のタカ、ユウジ。
個人的に、数ある名刑事の中でも相棒の杉下(水谷豊)さんがダントツで好きです。
先日、相棒見ていたら、捜査会議で司令官と衝突する、という踊る大捜査線でよく見るアレが相棒でも繰り広げられていました。
この時の杉下さんのアプローチが踊る大捜査線と比べると随分違うストーリー展開で、秀逸さをよく表現していたので紹介したいと思います。
青島巡査部長の場合
司令官とのバトル!といえば、踊る大捜査線ですよね。青島なら、
「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」てとこです。
彼の場合、能力が低かったり現場の意見を汲み取れなかったりする司令官の弱点を声高に攻撃して、自分のやり方で捜査を断行します。
そしてうまく行っちゃうんですよね。
司令官残念、みたいな。
なんだかんだ古いピラミッド組織が根強く残る日本では、司令官をやっつけるってのは、この番組のシズル感としてすげぇワークしてると思うけど、現実でこういう仕事の仕方してるとけっこうまずい人ですよね。
室井警視監の場合
室井さんはこんな時、青島ほど直接的なバトりかたはしません。「現場に任せてください!」とか
「青島頼む」とかいいながら、会議室終わりにゴミ箱を蹴ったりしてます。
彼の場合、警察という組織では、今は勝負できない、と考えます。
今ではなく、えらくなってから勝負する。良い警察を作るのだ!という信念で行動する人です。
人柄や考え方には共感出来る面もあります。
杉下警部の場合
つづいて、相棒のエピソードです。(録画してたわけじゃないので詳細が違ってたらゴメンナサイ)政治家のボディガードの女が政治家を殺そうとして、人質をとって立てこもります。
しかし、実際にはその女もまた娘を人質に取られていて、政治家を殺すように命令されているだけなのです。
杉下警部はこの事に誰よりも早く気が付き、司令官に報告をします。
しかし、司令官は「そんなのはおまえの勝手な推測だ、捜査から外れろ!」とのたまい、さらに女を射殺するように特殊部隊を手配します。
こんな危機的状況だったら、青島だったら血管が沸騰するほど怒ってるとこでしょう。
亀山(寺脇康文)も杉下さんのとこにやってきて「あいつテンパってますねぇー」とかテキトーなことを抜かす始末。
ここで杉下さんが言った一言はこれ。
「無理もありません。私たちに出来ることをやりましょう」
はじめての司令官だから無理もない。直接の捜査からは外れて別のラインで自分たちにできることをやろうということです。なかなかできないことだと思います。
さらに。
このあと、二人は有力な手がかりが残されている場所を特定します。
しかし、自分たちで勝手に探しにいくようなことはしません。
なんと司令官に報告をするのです。
あな秀逸。
杉下警部の秀逸な点
さて、このエピソードで秀逸なポイント。それは以下の2つだと思います。・組織中で自分に出来ることを十分にやる。
・未来ではなく、今自分にできることをやる。
仕事をしてると、ともすると、組織の中で求められていない役割で動いてチームに軋轢を生んだり、資格取ってから活躍するから今は我慢しよう、とか言ってみたり、今自分が出来ることをするのが怖くって逃げてしまうことがあります。(過去記事:「いつか」の自分ではなく、「いま」の自分で勝負したい。常備薬と劇薬のこと)
そんな時には杉下さんのアプローチを見習って、「無理もありません。私たちにできることをやりましょう」とそっとつぶやけば、なんだか良い方向に進むような気がします。
関連記事:
「いつか」の自分ではなく、「いま」の自分で勝負したい。常備薬と劇薬のこと
制約に文句を言うの辞めませんか。
補足:
ここまでのお話と矛盾するようだけど、青島や室井さんが輝けるとこも沢山あると思ってます。
「正義の味方」という受身の姿勢で仕事をしている人は杉下資質が非常に重要と思いますが、自分で進むべき戦略や野望を持って進めていく仕事をしている人には、青島みたいに壊せる人のほうがより求められているようにも思いますし、人数が少なくて稀有な気もします。
このへんはまた別のエントリーで。
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