2010年8月25日水曜日

WEBマーケティングの限界-1%のCVRで残り99%はどうなったのか。

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よくひとつのKPIとして取り沙汰されるCVR。

サイトを運営するにあたっては、全体を俯瞰しながらもこのCVR(コンバージョンレート)をアップすることがひとつの大きな目標であることが多いと思います。ぼくが運営するサイトでもCVRは意識してよく見ているのですが、あるマーケターが疑問としておいて行った言葉があるので整理したいなと思います。

それはCVRが1%といった時に99%はどう感じたのか、という点です。

CVRが1%の時残りの99%にどのように感じられたのか

普段WEBの仕事をしてるとやはりCVRをどうするかという点に終始しがちなので、この質問はそれだけで十分に意義深いなと感じました。

何しろ母集団としては99%の人のほうが圧倒的に多いわけだし。この人達が次のPVを生み出したり、次の口コミをうむことになるからです。

ケータイサイト運用していて感じること

ケータイサイトを運用していて感じるのが、PCに比べるとユニバーサルデザインといった概念が薄く、出会い系サイトのようなちょっとユーザーを騙して入会させるような遷移になっているサイトが多いのではないかなという点です。

特に月額315円といった形で運用している公式サイトは、PCでの課金に比べると入力項目が少なく、一度入ってしまうとそのうち50%程度は次の月まで継続するため、おいしい収益モデルです。さらに、これまではリテラシーが低いユーザーが多かったからか、わかりづらい遷移にすればするほどCVRが高まる傾向にあって、よりこの傾向を助長してきたように思います。

随分言われていることですが、公式ケータイサイトは市場規模は伸びているものの、参入がそれ以上に相次いでいて、1サイトあたりの儲けはどんどん下がっています。それは運用していてもひしひしと感じているのですが、これはこのように1%コンバージョンしたユーザーとともに99%のコンバージョンしなかったユーザーにもケータイサイトの印象を落とすことになっていたのではないかなと感じています。

これはクオリティの低いユーザーエクスペリエンスを与えてしまい、スマートフォンやPCで見たほうがらくちん、という見方につながる要因のひとつになっていて、結果的にプラットフォーム全体の価値を下げていると思うのです。

99%を意識することの大切さを感じたエピソード

99%のユーザーに関してはシステム的に追っかけるすべがないので、それは想像することしかできないわけです。
ここに冒頭のWEBマーケティングの限界、なんて書き方をしてみたのですが、意識するだけでわかることは相当あるかなと思います。

以前公式サイトの企画の中で、
1、登録すると著名人のブログが読める、
  という体でメルマガ登録を促す。
2、メルマガを配信したURLからサイトに遷移すると
  有料の会員登録を促される。
といった企画があがりました。

これはメルマガ登録率をあげますし、コンバージョンもせっかくメルマガ登録もしたのだから、ということでそこそこあがります。また、1%のコンバージョンしたユーザーの中には有料であろうが無料であろうが本当に読みたかった!という人もいらっしゃると思います。

しかし99%からするとこのサイトをもう利用する気にはなりませんし、負のバイラルを生んでいる可能性は高いと思われます。

これは極端な例ですが、同じようなことはままあると思うのです。

広告業界ではやはりCVRを追い求めるあまり、99%分の非コンバージョンユーザーをないがしろにしてしまってることがこれまでは多かったように思うのです。しかし、AISASで言うところのShareのタイミングではブランド価値低下に大きく貢献してしまいます。

単純に数字を追いかけるのではなく、この1%の裏側にいる99%がどう感じるのか、という視点をいつも忘れないようにしたいなと感じました。

参考図書:
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終わりです。
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