2010年8月31日火曜日

正確な記憶力と発想力はトレードオフ。記憶はスマートフォン、発想は人間

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プロフェッショナル仕事の流儀という番組が好きです。お休み中ですが。

ずいぶん前の放送ですが、「たまごっち」を開発した、横井昭裕さんが紹介されていました。彼は人の名前を覚えるのが苦手で全然覚えられないんだそうです。そこでインタビュアーの茂木さんが言ってたのが面白いのでご紹介します。

正確な記憶力と発想力はトレードオフ

正確な記憶力を持ってると、発想力は弱くなるし、発想力のある人は記憶力が弱くなる傾向がある、ということだそうです。

どうしてトレードオフになるか

記憶することと発想することは全く別の回路を使っているそうです。全く別なら特にトレードオフになることもないと思うのだけど、人間の脳は使った時間に比例して回路が太くなったり細くなったりするので、記憶力の回路を発達させると発想力が、発想力の回路を発達させると記憶力が、それぞれ相対的に細くなるということのようです。

体感的にも意識化にある記憶より無意識化にある記憶のほうが、より発想に結びつきやすいように思うので、「正確な」記憶力と説明しているところも非常に納得感があるなぁと感じました。

正確な言い方をすれば、より多くの発想を出すように脳を使うということは、記憶を正確に再現することと直結しない、独立したこととなります。

では、どうしてトレードオフになるかというと、人間が脳を使う時間は有限なので、何を優先してどの回路を発達させてきたかという結果が現れるからです。

日経ビジネスオンライン


スマートフォンに記憶させて発想に時間を使えばいい

話は変わってスマートフォンのことなのだけど、今日ブラウジングしていて、まさにこれぼくも思った!っていうことが書いてありました。(ぼくはandroidですがw)

iPhone4購入から1ヶ月|失ったもの、そして得たもの

「失ったもの」の中で「考えたり、思い出したり、記憶したりする行為の欠落」という項目が挙げられているのだけど、この「頭を使ってない感」、という点に関してすごく共感があったのです。

でも、上の茂木さんのおっしゃることと照らして考えると、発想する時間が取れなくなるということで言うと、非常に問題だけど、記憶したり思い出したりをしなくなった、という点に関していえば、むしろスマートフォンに記憶させてしまってよかったのかもしれないな、と思うようになりました。

記憶は他のメディアやクラウドで代替可能だけど、発想は人間にしかできないから、なるべくここにリソースを割きたいのです。

ぼくで言うと、この発想につながるところがこのブログだったりするわけです。

でも懸念点もある

でも手放しで記憶を全部任せちゃえばいいかというと、違う気がします。

なによりも、物事を記憶すると言うのは、例えば何かと紐付けして記憶したりする工夫を行ったりするんだけど、そういう工夫すら考えなくなってしまう。便利なものが目の前にあっても、それに手を出すのは少々リスクが大きすぎると言う風に私は感じた。

iPhone4購入から1ヶ月|失ったもの、そして得たもの


ここはまさにそのとおりじゃないかなと思っていて、記憶そのものは単純にスマートフォンに任せとけばいいと思うのだけど、記憶する中で脳内に起こっていた、何かと紐付けたり、情報を整頓したり、というプロセスがなくなってるとすると、これは良くないんじゃないかなと思うのです。

この点に関しては、手帳の時代から感じていて、要は記憶メディアでは宿命的な問題のように思っています。だから使う人間側が記憶メディアへの入力をする時に、一度頭で紐付けたり整頓してからストレージしておく、ってのが個人的には良いんじゃないかと思います。

体感的なことだから正確なところはわかりませんが、一度整理してからストレージすることで、記憶の取り出しもスムーズだったりアウトプットするときにも紐づいた情報が一緒に出てくるように思います。
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